ログイン・会員登録
ログイン・会員登録メールフォームへ

SPECIAL FEATURE 特集ページ

髭の歴史   

髭の歴史

近年再び髭のファッションが人気となっています。男性の髭の有無やスタイルは長い歴史の中で繰り返されてきました。今回は、西洋を中心とする「ヒゲ」の歴史を紹介します。

参考文献

Allan Peterkin, One Thousand Beards. 2001, Arsenal Pulp Press

Wikipedia Beard


先史時代~中世

先史時代では、寒さからの保護や戦いの際に肌を守る目的のため髭は残されました。また多くの文明では、髭は神性や権威を表すとも信じられ、髭を蓄えた古代の王様や権力者達の肖像がたびたび描かれています。古代エジプトでは、特に位の高い者たちは衛生面から体毛を剃り落とす事が多かったのですが、その代わりにファラオ達は男女かかわらず金属製の髭飾りをつけたという記録が残っています。

  • アッシリア時代のハダド神とイシュタル神の像。ハダド神には髭が生えている

  • アッシリア時代の精霊の姿。羽根の生えた男性の姿で表される。紀元前883年-859年頃

  • 孔子は身体は授かりものであり、手を加えるべきでないという教えを説いた。そのため髭もそのままにすることが好まれた

  • ツタンカーメンの黄金のマスク。顎に髭の飾りをつけている

  • 古代エジプト、シェイク・アブド・アル=クルナの墓には床屋の様子を描いた壁画がある。髭剃りも行っている人物がいるようである

  • マケドニア王国のアレクサンドロス大王は、戦いの時に敵に髭をつかまれ攻撃される事を避けるために兵士達に髭を剃るように命じたという

  • エトルリア人たちの作った剃刀。紀元前8~9世紀

  • 古代ギリシャの詩人ホメーロスの肖像。古代ギリシャ人は立派な髭を生やしていた

  • カエサルの肖像。特に2世紀以降古代ローマ人の多くは髭を剃るか短く整えていたという

  • オスマン朝初代皇帝オスマン1世

  • 神聖ローマ皇帝フリードリヒ1世は、赤毛の髭を生やしていたことから別名バルバロッサ(赤髭王)と呼ばれる

  • アミアン大聖堂のゴシック彫刻。15世紀頃

16世紀~近代

髭の有無やスタイルは時代とともに繰り返されました。16世紀のヨーロッパでは全体に生やした髭が流行しましたが、17世紀になると髭は整えられた小さなスタイルとなり、18世紀ロココ時代にはきれいに剃り上げられた顔が好まれました。


19世紀になると再び髭の時代の到来です。特にイギリスのヴィクトリア朝時代の男性たちは時には奇抜とも言える大小さまざまな髭を生やし、念入りに髭の手入れをしました。文明開化を迎えた明治時代の日本の男性たちも欧米のスタイルを見習い、男性は散切り頭に髭を生やしました。

  • ティツィアーノ「青い袖の服を着た男の肖像」1512年頃。髭は古くから男らしさの証明であると「科学的」に信じられた。

  • イングランド王チャールズ1世。17世紀のオランダの画家アンソニー・ヴァン・ダイクが多くの髭の貴族や王族の肖像画を描いた事から、このような髭のスタイルはヴァン・ダイク髭と呼ばれるようになった

  • 17世紀、ルイ13世統治時代のパリの床屋の様子

  • スペイン国王フェリペ三世への贈り物として描かれた髭を蓄えた女性マリア・ヴェントゥーラとその夫の肖像画

  • ロココ時代を代表する画家の一人、モーリス・カンタン・ド・ラ・トゥールの自画像。ロココ時代では髭のある男性像はあまり見られない

  • 初代ロシア皇帝ピョートル1世は西欧化改革の一環として髭を生やす者に税金を課した。税金支払い証明のコイン

  • アメリカ独立戦争で活躍したイギリス海軍提督ホレーショ・ネルソンの持ち物であったといわれる髭剃り台

  • チャールズ・ダーウィンは男性の髭は先史時代の性淘汰の産物であるとの仮説を立てた

  • ヴィクトリア時代を代表する作家チャールズ・ディケンズも立派な髭を生やしていた

  • エイブラハム・リンカーンは「存在感を増すために生やしたほうが良い」という意見が書かれた11歳のグレース・ベデルの手紙に影響を受け髭を生やした

  • 19世紀にイギリスで出版された本の1ページ「恐れた通りだ!2羽のフクロウと1羽のニワトリ、4羽のヒバリ、1羽のスズメがみんなわしの髭の中に巣を作りおった!」

  • 明治天皇の肖像画。断髪し髭を蓄えた近代的な姿で描かれている

20世紀~

20世紀になると、髭の人気は下り坂となります。20世紀初頭の安全剃刀の普及も髭の無いスタイルの流行に一役買いました。また、コミュニストのリーダー達が髭を生やし、反体制であるヒッピーの若者達が髭を生やしたため、50年代から60年代には欧米の政治リーダーやメインストリームの文化からは一段と髭が消えていったとも考えられています。


近年では、ボヘミアン的生活の流行などもあり、髭はクールな男性像のひとつとして再びトレンドとなっています。

  • ジレット安全剃刀の1905年の広告

  • 第一次世界大戦中のイギリス兵とインド兵。1916年までイギリス軍には口髭を生やすという規則があった

  • 19世紀末以降人気となったトゥースブラッシュ(歯ブラシ)髭というスタイルは、ヒトラーの登場以降消えていった

  • 自らの髭をアイコンにしたサルバドール・ダリ

  • 1940~50年代のアメリカを代表する俳優の1人ジェームズ・ステュアート。この時代は髭の無い顔が好まれた

  • フィデル・カストロ。60年代の多くの若者達にとってキューバの革命家のカストロやチェ・ゲバラの髭はアイコンとなった

  • 1969年ジョン・レノンとオノ・ヨーコ。60年代後半から生やし始めたジョン・レノン

  • エルビス・プレスリー1975年のコンサートにて。このようなほほ髭はマトンチョップと呼ばれる

  • ジョニー・デップ。髭のハリウッドスターといえばこの人

  • 2015年6月スウェーデン王室のカール・フィリップ王子が結婚式を挙げた。無精髭がハンサムな王子として話題に

  • 毎年話題となる世界髭コンテストの出場者

  • オーストラリアから始まった男性の病気の意識を高めるために毎年11月に行われる「Movemberキャンペーン」(口ひげMoustache + 11月November)。期間中に口ひげを生やすストーク・シティFCのピーター・クラウチ選手

過去の特集
お問い合わせ・ご相談無料

お電話でのお問い合わせ 03-3264-3761 受付時間:月〜金 10時〜19時

メールフォームへ