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Alice in Wonderland    

Alice in Wonderland

ある夏の昼下がり、テムズ川を遡るボートの上で「アリス」の物語は誕生しました。ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』と『鏡の国のアリス』は英米では聖書とシェークスピアについで読まれているとも言われ、出版から150年ほどたった現在でも多数の言語に翻訳され世界中で愛されています。2014年は「アリス」の挿絵を手掛け、作品の世界観の確立に大きく貢献した挿絵画家ジョン・テニエル没後100年にあたります。

参考文献

図説 不思議の国のアリス/河出書房新社

「不思議の国のアリス」の誕生/創元社

ルイス・キャロル ハンドブック―アリスの不思議な世界/七つ森書館

Wikipedia  不思議の国のアリス



『地下の国のアリス』

『地下の国のアリス』

1862年7月4日、オックスフォード大学の数学講師だったルイス・キャロル(本名チャールズ・ラトウィッジ・ドジソン)は同僚ダックワースと知人の娘リデル三姉妹とボートでピクニックに出かけました。その道中、キャロルは三姉妹の次女アリス・リデルを主人公にしたおはなしを即興でつくって聞かせます。そのおはなしを気に入ったアリスに本に書いてほしいと頼まれたキャロルは、後日、文字も挿絵も手書きの本をつくり、アリスにプレゼントしました。これが『不思議の国のアリス』の元になった『地下の国のアリス』です。
「アリス」の物語が誕生したピクニックの日のことを、キャロルは「黄金の昼下がり」と呼んでいます。アリス10歳、キャロル30歳のことでした。

  • 『不思議の国のアリス』と『鏡の国のアリス』の作者ルイス・キャロル(1832-1898)

  • キャロルが撮影したアリス・リデル(1852-1934)。キャロルは写真家としての顔も持つ

  • キャロルに「アリス」の刊行をすすめた作家ジョージ・マクドナルドとその娘リリー。キャロル撮影

  • オックスフォード、クライスト・チャーチのキャロルの書斎

  • 『地下の国のアリス』表紙。キャロル自筆の原本は大英博物館所蔵

  • 首が伸びたアリス。キャロル自筆

  • 玉座の前で行われる裁判で白うさぎがファンファーレを鳴らす。キャロル自筆

  • バラにペンキを塗るトランプの兵士たち。キャロル自筆

  • 自筆本の最後のページにはキャロルが撮影したアリス・リデルの写真が貼りつけられている

  • 詩人アルフレッド・テニソンの姪アグネスに赤ずきんの扮装をさせて撮影。キャロルの被写体の多くは少女たちだった

  • キャロルの被写体の一人、クシー・キッチン。中国風の扮装をしている

  • ラファエル前派の画家ロセッティ。キャロルは当時の著名人たちも撮影している

  • キャロルはオックスフォード大学、クライストチャーチ校を卒業後、同校の数学講師として26年間教鞭をとった

  • クライスト・チャーチの大聖堂。キャロルはここで『鏡の国のアリス』のインスピレーションを得た。「ハリー・ポッター」のホグワーツのモデルとしても有名

  • オックスフォードにあるアリス・ショップ。『鏡の国のアリス』に登場する小間物店のモデルとなった

  • 聖マーガレット教会の庭にある井戸。キャロルはここから『不思議の国のアリス』に出てくる糖蜜の井戸の話のヒントを得た

  • オックスフォードを流れるテムズ川

  • キャロルの生誕地デアズベリーのオール・セインツ教会内にはキャロル生誕100周年を記念して作成されたステンドグラスがある

  • 1868年にキャロルの父親が亡くなった後、ドジソン家はギルフォードへ移り住む。キャロルは休暇のたびにオックスフォードから戻りこの家で過ごした

  • キャロルの眠る墓。ギルフォード

挿絵画家ジョン・テニエル

挿絵画家ジョン・テニエル

「アリス」の物語誕生から3年後、作家で友人のジョージ・マクドナルドの勧めで「アリス」を出版することにしたキャロルは、『地下の国のアリス』に加筆修正し、タイトルを『不思議の国のアリス』に改め、雑誌『パンチ』の風刺漫画家として活躍していたジョン・テニエルに挿絵を依頼しました。キャロルは挿絵に関して大変なこだわりを持っており、テニエルに多くの要望を出し、満足のいく仕上がりになるまで何度も修正させました。キャロルとのやり取りにうんざりしたのか、『不思議の国のアリス』刊行から6年後に続編『鏡の国のアリス』の挿絵の依頼が来たとき、テニエルは依頼を断っています。しかし代わりの画家が決まらず、最終的にテニエルが挿絵を引き受けることになり、これが彼の最高傑作と評されることとなりました。テニエルの描いた挿絵は物語と見事に調和し、「アリス」のイメージを決定づけました。

  • ジョン・テニエル(1820-1914)。自画像

  • テニエルの死亡記事。テニエルは約50年にわたり雑誌『パンチ』で風刺画家として活躍した

  • 庭園へ続く小さなドアを見つけたアリス

  • ネズミの長い”尾”はなし

  • ハートの女王とトランプたち

  • ハンプティ・ダンプティ

  • トゥイードルダムとトゥイードルディ

  • 鏡の国へ入っていくアリス

  • 『子供部屋のアリス』はキャロルが幼児向けに短く編集したもので、挿絵はテニエルが彩色している。表紙のみガートルー・トムソンが描いた

  • テニエルの下絵。左下にはジョン・テニエルの頭文字JとTを組み合わせたサインが入っている

  • 当時の印刷は木版だった。足元の陰の部分の線に紛れて木版を作った職人のサインが入っている

  • テニエルによる彩色

  • 白ウサギ

  • ドードー鳥

  • イモムシ

  • チェシャ猫

  • トランプ兵たち

  • 公爵夫人

  • 『不思議の国のアリス』のラストシーン

  • キャロルの死後、出版社がテニエルの承諾を得て挿絵の色を刷新。アリスの服の色は青になった

時代背景

時代背景

『不思議の国のアリス』が出版された1865年はイギリスが大英帝国として最も輝いていた時代でした。ヴィクトリア女王が統治していたヴィクトリア朝(1837-1901)では産業革命による経済発展を礎に科学技術が進歩し、庶民の生活水準が向上、急速に近代化が進みます。ロンドンでは世界初の万博が開催され、地下鉄が開通、ガス灯が灯りました。華やかなイメージのあるヴィクトリア朝ですが、一方で、貧富の差の拡大、伝染病の蔓延といった問題もあり、深刻化する社会矛盾を抱え、伝統的な価値観が崩れていった時代でもありました。当時、こども向けの本といえば、教訓を含んだ道徳的な内容のものがほとんどでしたが、純粋にこどもを楽しませるために書かれた『不思議の国のアリス』の登場は児童文学の新たな幕開けとなりました。

  • クリスタル・パレス(水晶宮)。1851年開催の万国博覧会の会場

  • 1859年に出版されたダーウィンの『種の起源』初版本

  • ヴィクトリア朝の街灯。現在は電気に変えられている

  • 1856年の雑誌『エンジニア』。当時のイギリスでは急速に工業化が進んだ

  • 1888年、連続猟奇殺人鬼「切り裂きジャック」がロンドンを震撼させた

  • コナン・ドイル(1859-1930)。「シャーロック・ホームズ」シリーズの作者

  • 労働者が集まり人口密度が高く、衛生状態の悪いロンドンではコレラが大流行した

  • 鉱山の児童労働。1842年

  • メイド。19世紀後半、使用人を雇うことはステータスの一つだった

  • クリノリン(スカートを膨らませるための骨組み)を身に着ける様子。1850年代後半に考案され大流行した

  • 19世紀になると階級を問わずコルセットが普及していった

  • 1850年のこども服

  • 1846年発行のエドワード・リア作『ナンセンスの本』。伝統的な児童文学にユーモアやナンセンスを持ち込んだ作品

  • ノアの方舟で遊ぶこどもたち。1895年

  • ロンドンの通りで遊ぶこどもたち

  • 1889年

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